世界
この世界の大地は、遥か昔から空に浮かんでいる。大きな浮島には古くから国が築かれ、崩れやすい小さな島に住む人々は、島から島へと渡り歩いて暮らしてきた。島の端が欠けて落ちるのは、この空ではよくあることだった。だが近ごろ、これまで誰も見たことのない崩落が、世界のあちこちで島々を呑み始めている。呑まれた大地は、そこに生きる者ごと透きとおった結晶に変わり、光を天へ吸い上げられて、虚無の底へ落ちていく。崩れた大地は、二度と戻らない。
崩落とともに、虚無からは妖異と呼ばれる異形の敵が這い出してくる。妖異が島に構える拠点は、島を空に浮かべている4色の力を一点に留める「楔」だ。この楔、つまり敵拠点を攻め落とせば、留められていた力が行き場を失い、次の島を引き寄せて、いま立つ島と繋ぎ合わせる。崩れゆく大地を生き延びるには、楔を砕いては次の島を繋ぎ、崩落の先へ進み続けるほかない。
人々はこの崩落を、神の怒りとも、世界の寿命とも噂する。大国ヴォルフラム帝国が、大地から4色の力を汲み上げすぎたせいだと見る者も多い。だが、なぜこれまでと違う崩れ方をするのか、確かな答えを知る者はいない。その手がかりは、崩れゆく島々に残された痕跡に、断片として散らばっている。
ALETHEA VANE
アレーシア
聖騎士
聖公国アルジェンティスを守る聖騎士だった。ある日、見たこともない崩落が祖国を呑み、率いていた騎士たちも、守るべき民も、結晶に変わって消えた。幼い頃から妹のように守ってきた王女も、崩れる城壁の向こうで行方が分からなくなった。
崩落の数日前、ヴォルフラム帝国の調査団が祖国に入り、大地の力を測っていた。アレーシアはこれを帝国の仕業と信じ、崩れゆく島々を渡って帝国を目指す。
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